シニア期のお悩み
シニア期のお悩み

閉経を迎えた後の「シニア期」は、女性ホルモンの影響が少なくなり、身体の変化がゆるやかに落ち着いてくる時期です。一方で、加齢やホルモン低下によって新たな健康問題が現れることもあります。
「最近、眠れない」「関節が痛い」「膣の違和感がある」「尿漏れが気になる」「気持ちが落ち込みやすい」--。
これらは年齢のせいと片づけてしまいがちですが、実は医療のサポートで改善できるものが多くあります。当院では、更年期を終えた女性が人生の後半を健康で快適に過ごせるよう、体と心のケアをトータルに行っています。
シニア期とは、閉経(平均50〜51歳頃)を過ぎたおおむね55歳以降〜70代頃の時期を指します。
女性ホルモン(エストロゲン)が大きく減少し、月経や排卵がなくなる一方で、ホルモンに守られていた身体機能が少しずつ変化していきます。
この時期は「女性としての役割が終わる時期」ではありません。むしろ、自分のための時間を持ち、健康維持や心のゆとりを見つめ直す大切なライフステージです。
閉経後は、女性ホルモンの減少により膣粘膜が薄くなり、乾燥しやすくなります。これを萎縮性膣炎(いしゅくせいちつえん)といい、かゆみ・ヒリヒリ感・性交時の痛みなどを伴うことがあります。
また、膣内の自浄作用が低下するため、感染症を起こしやすくなることもあります。保湿剤や膣用エストロゲン製剤などの治療で、症状を改善することができます。
シニア期になると、膀胱や尿道周辺の筋肉が弱まり、尿漏れや頻尿などの骨盤底筋のゆるみによる症状が出やすくなります。咳やくしゃみで漏れてしまう「腹圧性尿失禁」、トイレが間に合わない「切迫性尿失禁」などが代表的です。
骨盤底筋を鍛えるトレーニングや、内服薬・局所治療で改善が期待できます。また、慢性的な膀胱炎の再発も、ホルモン低下による粘膜の防御力低下が原因のことがあります。
エストロゲンは骨の新陳代謝を保つ働きをしており、その分泌が減少すると骨密度が低下します。放置すると、背中が曲がったり、転倒による骨折のリスクが高まります。
骨密度検査(DXA法など)で早期に状態を確認し、カルシウム・ビタミンDの摂取、適度な運動、必要に応じて薬物治療を行います。定期的な検診での予防が何より大切です。
閉経後は、女性ホルモンの保護作用が失われ、コレステロール値や血糖値が上がりやすくなります。そのため、高血圧・糖尿病・脂質異常症といった生活習慣病のリスクが高まります。これらは動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気につながることもあります。婦人科でも血液検査や生活指導を行い、内科的疾患の早期発見、予防に努めています。
「なんとなく元気が出ない」「眠りが浅い」「不安を感じやすい」などの症状は、更年期を過ぎても続くことがあります。ホルモン低下に加え、家庭環境や仕事、親の介護、社会的な孤立感など、心理的要因が重なることもあります。
必要に応じてホルモン補充療法(HRT)や漢方療法、心療内科との連携を行い、心身のバランスを整えていきます。
年齢を重ねると、膣の乾燥や萎縮、ホルモン低下により性交痛が起こりやすくなります。また、パートナーとの関係性の変化や性に対する意識の違いに悩む方もいらっしゃいます。近年では「性の健康(セクシャル・ウェルネス)」が重要視されており、痛みや違和感に対しては膣内保湿剤や局所エストロゲン治療で改善が期待できます。
恥ずかしいと思わず、医師に相談することで快適な生活を取り戻すことができます。
問診・カウンセリング
体調の変化や日常の困りごとを丁寧に伺います。
必要な検査
ホルモン検査、骨密度検査、尿検査、超音波検査などを行い、体の状態を確認します。
治療・ケアプランのご提案
お悩みの内容や生活スタイルに合わせて、ホルモン療法、漢方、プラセンタ、生活指導などを組み合わせて行います。
ホルモン補充療法(HRT)
閉経後も続くホットフラッシュや膣乾燥、気分変動、骨粗鬆症予防に有効です。
飲み薬・貼り薬・塗り薬などから、体質や症状に合う方法を選びます。
漢方療法
冷え、のぼせ、倦怠感などの症状や体質に合わせて処方します。
プラセンタ療法
自律神経を整え、疲労回復や肌の再生を促す作用があり、保険適用で行える場合もあります。
骨盤底筋トレーニング
軽い尿もれや下腹部の違和感に対して効果的で、自宅でも継続できるエクササイズ指導を行っています。
これらを意識することで、ホルモン低下による不調を和らげ、いきいきとした生活を送ることができます。
シニア期は、身体の変化に戸惑うこともありますが、同時に「第二の人生のスタート」とも言えます。子育てや仕事から少し離れ、自分のための時間を楽しみ、心身の健康を整えるチャンスでもあります。
当院では、婦人科疾患の予防・治療だけでなく、生活習慣病や骨粗鬆症などの健康管理にも力を入れています。年齢を重ねても、心地よく、前向きに過ごせるようサポートいたします。
シニア期の女性に見られる症状の多くは、「年齢のせい」ではなく、ホルモン変化や生活習慣の影響によるものです。正しい知識と適切なケアで、多くの症状は改善することができます。当院では、婦人科・内科・心療面を含めた総合的な診療を行い、患者様一人ひとりの健康と笑顔を支えています。
「歳だから仕方ない」と諦めずに、ぜひ一度ご相談ください。シニア期を“自分らしく、健やかに、笑顔で”過ごせるよう私たちが全力でお手伝いいたします。
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