妊婦健診
妊婦健診

妊婦健診とは、妊娠中の母体と胎児の健康状態を定期的に確認するための重要な医療行為です。妊娠期間中には、女性の身体にさまざまな変化が起こり、胎児も日々成長・発育します。これらの変化を適切に管理し、健康的な妊娠と出産を迎えるために、妊婦健診は欠かせません。
妊婦健診では、胎児の発育状態の把握に加え、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病といった妊婦特有の合併症の早期発見・早期対応を目的に、妊娠週数に応じた検査が行われます。定期的な健診を通じて、医師と妊婦さんがコミュニケーションを取りながら不安を解消し、出産に向けて準備を整えることができます。
妊娠中はホルモンバランスの変化や胎児の急速な成長によって、母体にさまざまな身体的・生理的な負担がかかります。その結果、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病、鉄欠乏性貧血、さらには風邪や尿路感染症など、予測しづらい健康トラブルが生じることがあります。これらの症状が進行してしまうと、母体だけでなく胎児にも発育の遅れや早産といったリスクをもたらすため、早期の発見と適切な対応が極めて重要です。
また、胎児においても先天的な異常や成長の遅れが起こることがあり、超音波検査や出生前スクリーニングを通じて早期に兆候を発見することで、適切な対策が講じられます。こうしたリスクに対応するために、妊婦健診を定期的に受けることが大切です。
妊娠初期には、生理が予定より遅れることや、軽いつわりとしての吐き気や嘔吐がみられることがあります。また、乳房の張りや痛み、日中の強い眠気や全身の倦怠感、微熱が続くといった体調の変化も現れることがあります。これらは妊娠のサインである可能性がありますが、同時にストレスやホルモンバランスの乱れといった他の要因によっても起こり得るため、自己判断せず、少しでも不安を感じたら早めに産婦人科を受診することが大切です。
これらの症状がみられる場合には、妊娠しているかどうかを確かめるためにも、できるだけ早めに必要な検査や診察を受けることをおすすめします。
妊娠の進行に合わせて必要となる検査内容は変化します。これらの検査は、母体と胎児の健康状態を正確に把握し、安心・安全な妊娠生活を支えるうえで欠かせないものです。
超音波検査(エコー)
胎児の推定体重や発育状況、羊水の量、胎盤の位置などを確認するために行います。3Dエコーを用いることで、赤ちゃんの表情や手足の動きまで立体的に観察できるため、母体にとっても安心材料となります。
尿検査
蛋白尿・尿糖・潜血の有無を確認し、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病、腎機能障害などを早期に発見することを目的としています。
血圧測定・体重測定
妊娠中の急激な体重増加や高血圧の兆候を見逃さないよう、毎回の健診でチェックを行います。体重管理は母体だけでなく胎児の健康にも関わるため、適正な体重増加を保つことが重要です。
血液検査
妊娠初期には貧血の有無を確認するために血液中のヘモグロビン濃度を測定し、また、B型肝炎や梅毒、HIVなどの感染症の有無を調べて、母子感染のリスクを回避する目的があります。
内診
子宮の大きさや子宮頸管の長さ、状態を確認し、切迫流産や早産の兆候がないかをチェックします。子宮頸管無力症の疑いがある場合にも重要な検査となります。
出生前検査の種類
クアトロテスト
母体血清中の4つの成分を測定し、胎児の染色体異常(ダウン症候群、エドワード症候群)や神経管閉塞障害(無脳症、二分脊椎など)のリスクを推定する血液検査です。妊娠15〜17週頃に行われ、非侵襲的で比較的負担が少ないのが特徴ですが、あくまで確率を算出するスクリーニング検査です。当院では非侵襲性出生前遺伝学的検査(NIPT)は請け負っておりませんので、ご希望の際は他院へご確認ください。
妊娠初期胎児スクリーニング
妊娠10〜14週を対象とした超音波検査で、胎児の首の後ろのむくみ(NT:頸部透亮帯)や鼻骨の有無を確認し、無頭蓋症や心臓逸脱症、内臓逆位など重篤な奇形の有無を評価します。必要に応じて母体血清マーカーとの併用も可能です。
妊娠中期胎児スクリーニング
妊娠18〜22週に行う詳細な超音波検査で、胎児の頭部、顔面、心臓、脊椎、内臓、四肢など全身を観察し、形態異常の有無を精密に確認します。先天性心疾患や消化管異常、骨格異常などの早期発見を目的としています。
| 4~5週 | 子宮内妊娠の確認(生理予定日から1週間後を目安に受診してください) |
|---|---|
| 6~7週 | 胎児心拍の確認、母子手帳の発行のご案内をいたします。 |
| 8~9週 | 感染症など妊娠初期の検査をいたします。 |
| 10~11週 | 妊娠安定期へ移行、健診は2週間おきから4週おきになります。 |
| 14~18週 | 定期健診(体調・胎児の発育確認) |
| 18~22週 | 胎児スクリーニングエコー:胎児奇形の有無がないか、時間をかけて確認いたします。 子宮頸管長の確認:切迫流産、切迫早産の原因となる子宮頸管無力症の否定をするため、内診・超音波検査を行います。 |
| 26週 | 妊娠糖尿病を調べる糖負荷検査(中期採血検査) |
| 28~30週 | 通常健診 |
| 32週 | 最終健診と紹介状を発行いたします。 |
妊婦健診は病気の治療ではなく、病気を未然に防ぐ「予防医療」としての側面が強く、早期発見と早期対応によって母子の健康を守ることが目的です。
妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病といった合併症が見つかった場合には、食事療法や内服治療、場合によっては入院管理が行われます。また、胎児発育不全などが認められた場合には、頻回の超音波検査や早期分娩の準備が必要になることもあります。
妊娠は女性にとって心と身体に大きな変化をもたらす期間です。安全で安心なマタニティライフと出産を迎えるためには、妊婦健診を定期的に受け、医師との信頼関係を築きながら正しい情報を得ることが何よりも大切です。
妊娠かな?と思ったら、できるだけ早く受診し、妊娠の確認と健康チェックを受けましょう。妊婦健診は単なる検査ではなく、お母さんと赤ちゃんの命を守る大切な時間です。不安なことがあれば遠慮なく相談し、医師やスタッフと共に健やかな妊娠生活を歩んでいきましょう。
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